眼内悪性リンパ腫とは

眼内悪性リンパ腫の治療の試み

背景

眼内悪性リンパ腫は、眼疾患の中でも最も生命予後の悪い難治性疾患である。眼局所治療は効率に緩解となり、局所コントロールは良好であるが、脳中枢神経系へ60-80%と高率に浸潤する。そのため、5年生存率は30%から40%であった。我々は、眼の局所治療だけでなく、中枢神経への治療を含めた化学療法と放射線予防的全能照射を組み合わせた臨床試験を施行し、中枢再発を10%まで予防することができ4年生存率を74.9%まで改善させた。しかしながら、高齢者には化学治療ができない患者も多いことや、放射線治療による重篤な晩期合併症(白質脳症とそれに伴う認知機能低下)などの問題点も明らかになった(British journal of hematology 2012 and 2017)。

医師主導多施設共同治験

我々は、2018年度、【AMED 革新的医療シーズ実用化研究事業】の臨床研究中核病院の機能を活用した若手研究者によるプロトコール作成研究に採択され、PMDA事前面談を経て臨床治験実施計画書を作成した。2019年度、「眼内悪性リンパ腫に対するブルトンキナーゼ阻害剤を用いた中枢再発予防法による医師主導多施設共同治験」が【革新的がん医療実用化研究事業】AMED委託研究課題として採択された。平成31年(令和元年)度 「革新的がん医療実用化研究事業」(2次公募)の採択課題について | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (amed.go.jp)

眼内悪性リンパ腫は、標準治療法が世界的にも未だないアンメット・メディカル・ニーズの領域であり、日本から世界で初めて眼内悪性リンパ腫の高率な中枢再発を予防する治療法を開発する。本研究は、分子基盤に基づいた分子標的治療のBTK阻害剤の内服による中枢再発予防法の開発であり、これまで化学放射線療法を行わず重篤な副作用を回避させることができる。

本試験は、研究名称:原発性眼内悪性リンパ腫に対するONO-4059(ブルトンキナーゼ阻害剤)の医師主導による第Ⅱ相二重盲検比較試験として、jRCTに開示された。①臨床研究実施計画・研究概要公開システム(JRCT):https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2031200383 また、東京大学医学部附属病院の実施中の臨床試験のHPで、臨床試験2020026-11DX原発性眼内悪性リンパ腫に対するONO-4059(ブルトンキナーゼ阻害剤)の医師主導による第Ⅱ相二重盲検比較試験として、開示されている。