眼内悪性リンパ腫について
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再発・難治性VRL
R/R PVRLの治療法
再発時には、一次治療で述べたような目的でMTX眼内注射や局所放射線治療と全身治療と併用して速やかに視力を改善する。再発時には、化学療法とASCTの併用も自家移植が可能な年齢の患者には検討する。チオテパ、ブスルファン、シクロホスファミドの IC レジメンを中心に、再発・難治性(R/R)PVRL 患者においてBRB を回避するための化学療法+ASCT が評価されている。パイロット試験では、HD MTX と HD シタラビンに基づく導入化学療法後の難治性 PVRL 患者に対する有望な結果が報告された。IC + ASCT を受けた 5 例はCR を達成し、ASCT 後に CNS 再発は観察されず、追跡期間中央値 17 ヵ月であった。これらの研究では、R/R PCNSL および PVRL 患者におけるこの治療法の有効性が確認され、PVRL 患者と PCNSL 患者の間に有意な転帰の差は認められなかった。
これらの記述は PVRL 患者の小規模な研究に基づいているが、この疾患は稀であり、比較研究がないため、重篤 な合併症のない若年患者の再発 PVRL に対して、IC+ASCT は依然として治療法の選択肢と考えることができる。本邦においては、BuTT(ブスルファン及びチオテパ)の前処置による自家移植のレジメンが保険承認されている。
単剤および標的治療薬
1) テモゾロミド
21人の患者(再発、n=19、ファーストライン、n=2)を含むレトロスペクティブ研究において、テモゾロミド単剤投与は有望な結果をもたらした。毒性プロファイルも良好であった。追跡期間中央値 42ヵ月、PFS中央値 12ヵ月、中枢神経系再発 5例であった。
2) レナリドミド(単剤またはリツキシマブとの併用)とイブルチニブ
2つの標的治療薬、レナリドミド(単剤またはリツキシマブとの併用)とイブルチニブは、第1相試験および前向き概念実証第2相試験を施行した。これらの治療法は、全身性DLBCLに対する有効性が知られており、ABC DLBCLサブタイプに対して優先的な抗リンパ腫活性がある。REVRI試験では、導入療法として、リツキシマブを375/m2で1日目に静注し、レナリドミドを1サイクル目は20mg/日、それ以降は25mg/日を1~21日目に投与する28日サイクルを8サイクル実施した。本試験には、眼内病変を有する17名(R/R PVRL患者11名、脳と眼に病変を有する患者6名)を含む50名の患者が登録された。この患者サブグループでは、CR率は35%であった。PVRL患者のPFS中央値は9.2カ月であった。PVRL患者のOS中央値は未到達であり、PCNSL患者のOS中央値より有意に長かった(P = 0.03)。
3)イブルチニブ単剤
前向き多施設共同第2相iLOC試験は、R/R PCNSLおよびPVRL患者におけるイブルチニブの単剤(560mg/日連日投与)としての活性を評価したものである。R/R PVRL患者14名が組み入れられた。治療2カ月後、眼内病変を有する患者の86%に全奏功率が認められ、うち50%にCRが認められた。PVRL患者のPFS中央値は23カ月であった。中央値26ヶ月の追跡調査後、CNSの再発が1例認められた。